2012年05月06日(日) 晴れのち雷雨
2012 / 05 / 06 ( Sun )
『尾崎翠集成(上・下)』を読んでいるんだけど、どれもかなり面白いんだけど、(下)に収録されている「アップルパイの午後」が、なんか今まで体験したことのないような読後感みたいなのに襲われて、身動きが取れず、とても幸せ。
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2012年04月30日(月) 晴れ
2012 / 04 / 30 ( Mon )

天気良かったし、正午から4時頃まで妻と散歩してきた。
公園歩いたりお花見スポット行ったり古書店寄ったり美味しいピラフ食べたりジャズ喫茶でお茶したりと、楽しかったよ。

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二十九歳になった私と『細雪』
2012 / 03 / 11 ( Sun )
 いわゆる格言やことわざといった類のもの、そういうものの何が良いかというと、短くばしっとまとまっているところだと思う。例えば。
 うわっやっべー寝坊したせいで待ち合わせに遅れてしまいそうだ、しかも折からの大雪でただでさえ道路は混んでいる、こうなったら仕方ない、近道を使おう、普段は道路が狭いのが嫌で通らないその近道だけれども、今日ばかりは仕方ない、と思い、車をぶっとばしてその細い路地を駆け抜けようとしたところ、タイヤが雪にはまって動けなくなってしまった。狭い道というのもあり、きちんと除雪がなされていなかったのだ。結果、待ち合わせには大幅に遅れてしまい、待ち合わせ場所に彼女の姿はなく、「さようなら けなげに待って みたものの 私の頭に 降り積もる雪」という一句のみが残されていた。こんなことなら最初から近道などせずに、普段どおりの道で来ればよかった、それでも遅刻はしただろうが、このように三時間も遅れることなく、ほんの十分程度で済んだだろうに。悔やんでも悔やみきれない。と、こういったことが、今後、みなさんの身にも起こりうるかもしれないから、みなさんは、私と同じような過ちを犯してもらいたくないので、気をつけてね。
 このような人生訓めいたものを言われても、何だか回りくどいし、伝わりにくいしで、ようするに、感心しないわけであるが、「つまり、急がば回れってことっすよ」と言われると、ああなるほどね、言いえて妙、昔の人は良いこというなー、となるわけであり、それだけ、短く簡潔にまとめる、ということが、人に伝えるという点でいかに重要で、広く人口に膾炙するために必要な要素であるかということだと思う。
 ただ、短くまとめるということは、省略される部分が生じてくるということでもある。さっきの例でいえば、「急がば回れ」と略された警句では、待ちぼうけをくらわされた彼女が詠んだ俳句に込められた情感などといったものがばっさりと切り捨てられている。待ち合わせに遅れそう、ということすらも省かれて、万人における最大公約数的なシチュエーションとして「急がば回れ」になるわけであり、その結果、このフレーズは時代を超えて用いられる普遍性を持ちえたのである。失った部分もあるが、得るものも大きかった、みたいな感じ。
 で、谷崎潤一郎の『細雪』なのだが、この小説は、とにかく、長い。私が読んだ文庫本では、九三〇ページくらいあった。うっわーなげーなー最後まで読めっかなー、読み始める前はそんな弱気になったりもしたが、いざ読み始めると、面白くて仕方がなくて最後まですいすい読めたのであった。それではこの小説のなにが面白かったのかというと、それを伝えるのが難しい。そのせいで、この読書感想文もなかなか書き上げることができず、いちど書いてはやり直し、書いてはやり直しで、もう百回くらい書き直している。百回は多少、大げさで、じっさいは五回くらいだけども、でもそれくらい、この小説の面白さをなんと言い表して良いのか皆目検討もつかない。で、色々考え続けた結果、この小説の面白いところ、それは、この小説が大長編なところそれ自体ではないだろうか、と思った。あらすじは、ものすごく乱暴に約せば「四姉妹をとりまく色々のお話、なかでもアラサー三女・雪子の婚活について。それと四女・妙子の進歩的な恋愛についても」と言い表すことができなくもないだろう。そしてそんな物語を、文章に文章を重ねて重ねて重ねまくって、丁寧に丁寧に恐ろしすぎるほど丁寧に、微にいり細にいり、多種多様な登場人物達を描くのである。その精緻で怜悧な観察眼は、ともすれば眼差しの冷ややかさというか、なんというか機械的な冷たさを漂わせてしまいがちなのであるが、それを見事に隠蔽し、逆に、小説全体に柔和な雰囲気を漂わせてしまえるところが、谷崎潤一郎の恐ろしさでありいやらしさであり、彼の魔法であると思う。
 何度も繰り返して恐縮であるが、とにかく丁寧に描かれるのである。たとえば、私は『細雪』を読む直前に、太宰治の『斜陽』というラブリーでキュートな小説を読んでいたのであるが(このチャーミングな小説を私は定期的に読み返す)、『斜陽』では、しょっちゅう、短くばしっとまとめた警句が出てくる。そのまとめ方が、かっこよくもあり、まぬけでもあり、たまらない魅力的なのであるが、それに比して、『細雪』はというと、そのような警句は、もしかしたら一度も登場していないかもしれない。たぶん出ていないと思う。これはもはや異常ですよ。あれだけ長いのに、一度も警句が出てこないというのは、谷崎が意識してるとしか思えない、「俺は省略しないぜ。徹底的に描写してやるぜ」って心に決めて、本書を執筆したのではないだろうか。とにかく、そうやって丁寧に、読者の歩調に寄り添うように優しい速度で描かれているので、小説に置いていかれることもなく読みやすいし、読んでて疲れることもない。
 しかし、世界を俺の言葉で塗りつぶさんと言わんばかりの勢いで何でもかんでも描写しておきながら、稀に、描写に空白が生じることがある。「えっそこは説明してくれないの?」とつい甘えたことをぬかしてしまいたくなる瞬間が、この小説にはあるのだ。少なくとも三箇所ほど。具体的には、前半、雪子がウサギの耳を足の指でつまんで立たせようとするところと、同じく前半、雪子がベランダから、姉の子供が友達と人形遊びをしているのをぼんやりと眺めているところと、最後の一つは、小説のラストの部分。この三箇所に、私は戸惑ってしまった。これはもう谷崎の罠と言って良いだろう。こちらは口を開けて待ち、谷崎がせっせと口の中に放り投げてくれるお菓子をぱくぱくと咀嚼する、そんな読者と作者の関係を築いてきて、いいなあ、ぼかあしあわせだなあ、口を動かすだけでおいしい思いが出来てたまらなくハッピーだなあ、しみじみ。などと思いながら小説を読み進めているのに、突然、お菓子を投げてくれなくなるのである。投げるフリだけはするので、こちらはついそのフェイントに引っかかって口で受け止めようとするのだが、一向にお菓子は飛んでこない。えっなんで? なんでお菓子? こないの? 口をぽかんと開けたまぬけ面で戸惑っていると、何事も無かったように次のお菓子が投げられる…。ひどい話である。しかし、そうされると、さっきはなぜお菓子が飛んでこなかったのだろうかと気になってしかたがない。その空白はもはや星が輝く宇宙におけるブラックホールのようなものなっており、とてつもない重力で私を引き付ける。あるいは、この空白を描くために、九百ページ超の文章が必要だったのかもしれない。そう思えるほど、魅力的な空白である。小説ラストの空白に関しては、空白ではなくて、ちゃんと、お菓子は投げられた、とも言えるかもしれない。しかしそのお菓子は毒入りであり、とても食えたものではないはずなのだが、そこまで小説を読み続けてきた我々は、喜んで咀嚼して飲み込んでしまうのであり、自分の読者にそんなことをさせる谷崎潤一郎という作家は、鬼畜であり、外道であり、だからこそ、『細雪』ように異常で素晴らしい作品を生み出すことができるのだろうと思った。
 最後に、本書を読み終えて、何とはなしに奥付部分を見ると、この、私が手にしている中公文庫の『細雪(全)』の初版が、一九八三年の一月十日とあって、おっと思った。というのも、私の誕生日と近かったからである。私は一九八三年の一月五日に生まれているので、俺の方が五日先輩か、あはは、などと思いながら、この本も私もこの世に生を受けて今年で二十九年目であり、この間、『細雪(全)』の方は何度も何度も重版を繰り返していて、要は売れまくっているのであり、ホントたいしたヤツだよなーお前は、と先輩風を吹かせてみたけれどもその分厚い本はどしんと構えたまま黙して語らず、私は、あれ、もしかして怒った? と妙にそわそわしてしまった。

テーマ:読書感想 - ジャンル:本・雑誌

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01月15日(日) 晴れ
2012 / 01 / 15 ( Sun )

半日だけ出勤してきた。
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01月14日(土) 晴れ
2012 / 01 / 14 ( Sat )

みかん食った。
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01月13日(金) 雪
2012 / 01 / 13 ( Fri )

前の職場の新年会に参加してきた。
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01月12日(木) 曇
2012 / 01 / 12 ( Thu )

寒い。帰りに冬用靴を買ってきた。
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